Q22)杭工事って何?

A22)
「杭工事ってなんですか?」と言う質問がありましたので、今日はその事について書きたいと思います。 杭工事とは、建物基礎の下に電柱みたいな物を打ち込む事です。工法はいろいろありますが概ねこのような工事です。
 では杭工事はすべての建物に必要か?と言いますと、そうではありません。杭工事の有無については、建物の規模とその建物が建つ敷地の地盤の状態により決まります。
 地盤の状態とは、地盤の固さです。これを把握するには、地盤調査が必要です。代表的な調査方法には「ボーリング調査」「サウンディング調査」などです。

 ボーリング調査は地盤の中に細長い管を打ち込み実際に地面の中の状態を調査します。サウンディング調査では、抵抗隊体を貫入しその抵抗で地盤の質を測定します。ボーリング調査費用よりサウンディング調査費用の方が価格的には安いです。が!地盤により適した測定方法がありますので、設計士に相談するといいでしょう。せっかく調査したのに、正確な結果が得られなければ意味がありませんので。

 建物規模(沖縄で主流の鉄筋コンクリート造について)と杭の有無の関係については、地盤の状態が把握されている事が絶対条件ですが、概ね平家では杭工事は行わない傾向にあります。それは建物の単位面積当たりの重量が2階建以上よりも軽いからと言えます。また2階建てについては、地盤の状態により杭工事を行う場合と行わない場合があります。3階建てでは概ね杭工事が必要です。

 このような事を踏まえた上で計画した建物規模、計上と地盤調査結果から杭工事の有無を決定して行きます。
 設計士に計画を依頼する際の設計料には、この調査費用は含まないのが通例です。別途施主負担となります。理由は、地盤の状態は予測不可能な部分なので、事前に何mボーリング調査が必要かなど把握できませんので、調査費用を前もって確定できないからです。

 基礎と杭は、建物のその名もずばり「基礎」なので、十分な調査と検討の上しっかりした基礎部分をつくりましょう!

<2003年8月に執筆>