Q24)屋根の断熱について

A24)
 太陽光線から受ける熱は、屋根の形状で異なります。
 一般的に言われているのが、水平の屋根(陸屋根)が全般的に受熱量が大きく、切妻屋根は受熱量が方位による差が少ないと言われています。
 さて、その太陽は沖縄ではどのような位置に昇って来るのでしょうか?太陽が一番高い位置にくる事を南中といいますが、沖縄では太陽が南中する高度は幾つくらいになるか出してみましょう。那覇を例に出してみます。

那覇緯度は----------26°14′
地軸の傾きは-------23°4′

冬至の太陽高度=(緯度+地軸の傾き)−90≒40°
夏至の太陽高度=地軸の傾き×2+冬至の太陽高度≒86.8°

となり、図示すると下図のような関係になります。



 当然沖縄より緯度の高い東京や北海道はもう少し角度が浅くなります。
 
 冬は夏よりもともと単位面積当たりの受熱量が低いと言えますので、夏について考えてみると、陸屋根は太陽光線を真正面から受ける状態にありますが、切妻屋根は少し傾いています。これにより、単位面積当たりの受熱量が陸屋根より少なくなり、陸屋根の条件が良くない事が分かります。
 最近は陸屋根の住宅が多いですが、屋根の断熱が重要な理由は上図からも分かると思います。公庫の融資を受けて住宅を建てる場合は、公庫基準で屋根の断熱が必要なので必ずしています。
 
 最上階の部屋が夏異常に暑い時には上図を思い出して、屋根の断熱に一工夫してみてはいかがでしょう。

<2003年10月に執筆>