Q27)防犯について

A27)
 新築の設計をしていると必ず施主さんから防犯についての要望、質問がありますので、今回は防犯について記載します。
 タイミングよく、1月29日に沖縄県建築士会主催で「住まいの防犯対策講習会」がありましたので、そこでの教わった内容もお伝えします。 まず、住宅とアパート、マンションでは空き巣の侵入経路に違いがあります。

◆ 住宅では、玄関以外の窓からの侵入が多い
◆ アパート、マンションでは、玄関からの侵入が多い

 と言う統計があります。そこで、住宅設計の際にはその点を考慮することになると思います。 防犯対策のキーワードは「音」「光」「時間」「近所の目」の4つだそうです。

「音」「光」は、侵入時に防犯音が鳴ったり、明るければ目立つので狙わない、暗がり がいきなり明るくなれば、びっくりして空き巣退散となります。
「時間」は、沖縄県警察本部の話では、空き巣は「侵入に5分以上かかる所は狙わない(又は退散する)」とのことです。この『5分』については鍵メーカー及びガラスメーカ ーも同じように捉えています。
「近所の目」は隣近所が疎遠で無関心と言う環境は、空き巣も入りやすいと言うことです。

そこで具体的に防犯設備として考えられるのは、どんな物があるのでしょうか?

「音」 ガラスに簡易に取り付け可能な防犯ブザーがあります。割ったりした時の振動で警報ブザーがなります。その他センサーにより作動する防犯設備もあります。
「光」 人感センサー付きの照明器具があります。人など動く物に反応して、点灯する物です。これは電気工事で付ける物もあれば簡単に取り付けできる物もあります。
「時間」 玄関

1)鍵を2つ3つ付けておく。これもかなり簡単にできる話です。玄関の鍵を簡単にピッキングされないような物にする。若干高価な鍵になりますが。(ピッキングとは鍵以外で解錠することです)
 とにかく、ピッキングに5分以上掛かる対策をすることです。

2)ガイドプレートの取り付け。サムターン回しと言う手口の対策になります。その他いろいろあります。
  防犯ガラスの取り付け。どんなガラスでも割れます!が特殊なフィルムを貼ったガラスは簡単には貫通しません。それこそ5分では無理です。

  この他様々な対策があります。住まいの形態、予算などの可能は範囲で防犯対策を選んでみましょう。そして、家は防犯考えていますよ!と器具や防犯認定商品のシールなどを見せておく「見せる防犯」が効果あるそうです。空き巣する気にさせないと言う事です。
 講習会で1つ本当にびっくりしたのは、沖縄における空き巣被害の原因の1番がなんと『無施錠』つまり、鍵掛けていないからだと言うのです。防犯対策の第1はちゃんと鍵を掛けましょう!

 本当の防犯対策は設備や器具による物ではなく、まず住まう人の心がけなのでしょう。
 

<2004年1月に執筆>