Q48)白アリと木について

A48)
 「この木材は白アリが好きな種類だ」「これは白アリに強い材木だ」などと言う話しを聞きます。が、本当にそうなのでしょうか?中には同じ材でも白アリが「好む」「好まない」と意見が分かれる物もあります。
 一般的に白アリが好む材と言われる代表格が「マツ」で、好まない材と言われる代表格が「ヒバ」です。他にもいろいろあるのですが、意見が分かれます。
 例えばベニヤなどの合板。好むと言う人と、そうではないと言う人がいます。スギもマツ並に好まれるという人と、そうではないと言う人もいます。ある、実験でベニヤに使われるラワン材とヒノキ、ツガ、スギを比較した所、ラワン以外は白アリにボロボロされましたが、ラワンはほとんど被害がなかったと言う結果もあります。

 具体的な話しとして、ヒバに含まれるヒノキチオールが白アリ対策に効果があると言う事は言われています。しかし、どんな木材でも白アリの被害が全くないと言われる物はないようです。「ヒバ」も白アリ被害を受けます。

 白アリは相手を判別しながらかじる訳ではないそうです。そこまでの高等な生物ではなく、触れたらかじるという遺伝的プログラムで行動しているとの事です。ですから、「お!マツ材があそこの家に使われている!!行け〜」と言う思考に基づきある家に被害をもたらし、ある家には被害をもたらさない訳ではないと言えます。

 同じ材でも、甚大な被害がある場合もあればそうではない場合もあります。被害が全く無い木材はないのです。私の事務所では材種選定の際、白アリ対策の一手段として「マツ」は避けるようにするくらいの事はしていますが、他の材については、ある説では好むと言われたりそうではないと言われる材については使用しています。そのかわり、土壌からが侵入の最大経路(土壌以外の進入もあるようです)ですので、土壌の白アリ対策に気を使い、床下等白アリ対策になるような環境作りをする事に気配りをしています。
 白アリ対策は、樹種の選定をしたからと言って万全ではないようです。相手は高等な生物ではないですが、生き物です。万全磐石の対策も難しいと言えます。家を建てる際には、予算なども含めて検討し、出来る範囲の納得できる対策を行ってみて下さい。

<2005年10月執筆>