バーは日常の延長にある、至高の非日常空間。バーテンダーは至高の非日常を演出するキーパーソン。

 美禄と紫煙が空間の色気を刻一刻と増して行く。ゲストは数あるバーの中から、今宵この店を選び、またここを訪れ、一日のエピローグを堪能し、明日のプロローグに期待を馳せる。

 そんなストーリを思い描きながら、シンプルでシックで品のある空間の設計を目指した。

 こだわりのあるオーナー夫妻のイメージはすばらしく、私はただ導かれるだけ。あたかも、美禄に酔うが如く。